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K.627さん、こんにちわ
前述のごとく、ヘンデルやモーツアルト等は、出演している歌手の能力やオケや合唱団の規模等により演奏会毎に楽譜を変更したのですから、どれがオリジナルかと言う問題はありますね。また、コンサート毎に変えたのであれば、もし今迄生きていたとすれば、当然、今のコンサートのために楽譜を変更したことは間違いない訳で、オリジナルとは何かと言う問題は発生すると思っています。
しかしながら、それを無視して、オリジナルがあるとして、例えば、初演版のオラトリオ「救世主」を再現するには、大きな問題があると思います。
まずは、音の高さで、これは現代と比較してどの程度違っていたのでしょうか。勿論、これは古いオルガン等である程度わかる訳ですが、当時のことですから、例えば、ロンドンとダブリンとでは異なっていたと思います。また、音程ですが、平均率だったのでしょうか、それとも、純粋なものだったのでしょうか。
そして、英語の発音の問題があります。日本語でも、江戸時代と現代とは発音が異なっており、また、これとは別に、英語と言っても、ロンドンなまり、ダブリンなまりとあった筈です。
また、発声法の違いがあります。例えば、ソプラノ歌手のシュワルツコップに対する最近の批評なんか読みますと、「古い発声法」と書かれています。また、1900年代初頭の録音を聞くと、やはり、現代の歌手との発声法の違いを感じます。ここ100年でもそう言うことなのですから、ヘンデルの生きていた頃とは異なる発声法であることは間違いないと思っています。
勿論、上記以外に、勿論、楽器の違いや奏法の違いがあり、コンサート会場の大きさ、響き、そして、聴衆の耳の感度も異なると思っています。
ハルノンクールをはじめとしたいわゆる古楽器演奏家はマーケツティングのために上記の一部を実践していると私は思っていますが、そのようなものではなく、上記+αで、ヘンデルの作曲した真正の救世主を聴いてみたいと思っているのは、私だけではないと思っています。
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